近い将来、本当にガソリン車は無くなる?電気自動車(EV)の世界各国や自動車メーカーの動きは・・

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schedule2022年2月16日
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◇ 電動車=電気自動車ではない? 排ガスを出さない「ZEV」とはどんなクルマ?

↑トヨタMIRAIは燃料電池自動車(FCV)の代表車種

欧州を中心とした先進国ではガソリン車から電気自動車(EV)などの排ガスをまったくださないZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)」に移行する動きが加速しています。

これはつまり、15~20年後の近い将来、販売される新車においてガソリン車が無くなり、ZEVだけが販売されることを意味しています。

※現在乗っているガソリン車が乗れなくなるわけではなく、中古車で購入できなくなるわけではありません。あくまでも対象は「新車」です。

ZEVの代表的車種としては電気自動車(BEV=Battery EV)や燃料電池自動車(FCV=Fuel-Cell Vehicle)があげられますが、他にプラグインハイブリッド車(PHV)を含める場合もあります。

厳密にいうとPHVはZEVではありません。モーターだけで走るときはZEVに相当しますが、電池がなくなればガソリン+エンジンで走るので排ガスを出すことになります。

なお、東京都環境局ではPHVもZEVに含まれており各種補助金の対象としています。日本車のPHVとしてはトヨタプリウスPHVや三菱アウトランダーPHEVなどがおなじみです。(PHVもPHEVも同じ意味になります)

昨今、電気自動車に加えて「電動車」という言葉をよく目にするかと思いますが、電動車=電気自動車の事ではありません。

電動車とはバッテリーに蓄えた電気エネルギーを動力にした自動車全般を意味します。つまり、「電動車」とは電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHV/PHEV)、燃料電池車(FCV)に加えて電気とガソリンをエネルギーとして走るハイブリッド車(HV)も含まれます。

 

◇ 世界の動きは?COP26を振り返って

↑トヨタ自動車は2021年12月に今後販売予定のBEV16車種を一挙に公開した。

ネットのニュースや各種報道で『COP26』という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

『COP』とは本来、国際条約に関する締約国会議(Conference of the Parties)を意味する略称のことですが、

1997年に開催されたCOP3「京都会議」以降、COPといえば「気候変動枠組み条約締約国会議」を意味する言葉として使われることが主流になっています。通常はCOP●●として●●の部分に開催回数の数字が入ります。

2021年10-11月に英国グラスゴーで開催されたCOP26はZEVに関する重要な宣言が行われました。そのうちのひとつが乗用車とバンを対象にしたもので、

「2035年までに主要市場で、2040年までに全世界で新車販売をZEVのみにする!」という宣言です。

この宣言の内容に同意して署名をした国はオーストリア、ベルギー、カナダ、フィンランド、デンマーク、オランダ、イギリス、スウェーデン、インド、ケニア、メキシコ、トルコなど39カ国で、加えてカリフォルニア州、ロサンゼルス市、ソウル市、ニューヨーク市など世界合計45の地方自治体や地域が署名しています。

また自動車メーカーでは、BYDオート(中国)、フォードモーターカンパニー(米国)、ゼネラルモーターズ(米国)、ジャガーランドローバー(英国)、メルセデス・ベンツ(ドイツ)、ボルボカーズ(スウェーデン)など11メーカーが宣言に署名しています。

ここで気になるのは、国や地方政府そして自動車メーカーなどいずれにも日本が一つも含まれていないことです。例えば国としてアメリカやドイツ、中国は宣言にサインをしていませんが、フォードやGM、メルセデス・ベンツやBYDなど自動車メーカーやカリフォルニア州やニューヨーク州などの地方政府レベルではサインをしています。

日本は国としても地方自治体としても、自動車メーカーとしても完全に足並みを揃えて「2035年までに主要国で2040年までに全世界で新車販売をZEVだけにする」という宣言にサインをしませんでした。

 

◇ 世界の自動車メーカー 近い電動化への宣言内容は? 

それでは日本のメーカーを含めてCOP26の宣言にサインをした、しないに関わらず世界の自動車メーカー各社はこれから販売される新車についてどのような電動化政策を取っていくのでしょうか?2021年に発表された各社の動きをまとめてみました。

◇トヨタ

・ハイブリッドを含む電動車の割合を、

・2030年までに日本では95%に(EV+FCV10%)、アメリカで70%(EV+FCV15%)、欧州で100%(EV+FCV40%)

・2035年までに中国で100%(EV+FCV50%)

◇ホンダ

・2035年までに先進国でEV+FCV80%、2040年までに世界でEV+FCV100%

◇日産

・2030年度までに15車種のBEVを含む23車種の電動車を導入し世界における電動車の販売を50%以上とすることを目指す。

・2026年度までにBEVとe-POWER搭載車を合わせて20車種導入。以下の市場における電動車の販売比率は以下

・日本:55%以上、欧州:75%以上、中国:40%以上、米国:2030年度までに40%以上(BEVのみ)

◇三菱自動車

・2030年までに全車種に電動車を設定して世界で50%

◇メルセデス・ベンツ

・2022年に販売している全セグメントでBEV(バッテリーEV)を選択可能に

・2025年までに全車種でBEVを選択可能に

・2025年までにPHEV+BEVの新車販売シェア50%達成

・2030年までに状況が許すすべての市場で100%電動化

◇フォルクスワーゲン

・2030年に世界販売の5割をEVに

・2040年には主要市場で販売する新車のほぼ100%をZEVにする

◇BMW

・ガソリン車の生産終了時期は設定していないが2030年までに世界販売の半分をEVに

◇GMゼネラルモータース

・2035年までに乗用車や小型トラックの新車を全てEVに切り替える。加えて大型車もEV化の対象に含める

◇フォード

・2030年までに欧州で販売する乗用車をすべてBEVに。2035年までに主要国、2040年までに全世界

◇ステランティス(プジョー、シトロエン、クライスラーなど14ブランド)

・2025年までに商用車を含む全14ブランドすべてにBEV+PHEVを投入

・2030年までにPHEVとBEVの販売構成比率をアメリカで40%以上、ヨーロッパでは70%に

・クライスラーでは2028年までに全モデルEV化

 

ところで、日本は自動車が排出するCO2量は、世界各国の中で群を抜いて低いことをご存知でしょうか?以下は日本自動車工業会が公開している資料です。2001年と比較すると実は日本は-23%のCO2削減に成功しています。