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schedule2021年12月17日◇ 車検とはそもそも何をするの?
車検の有効期間を示すステッカー
一般的に『車検』とは「継続検査」を意味します。車検は『自動車検査登録制度』の略で、道路運送車両法に定められた「保安基準」に適合しているかどうかを確認する制度です。
保安基準とはクルマが正しく、安全に使用できるかの安全基準や環境性能に関わる排ガス基準、マフラーの音量などを定めています。保安基準に適合しているかどうか?を調べる制度なので、次の車検までの2年間を保証するための制度ではありません。車検が終わった直後に故障した、タイヤが破裂したと言ったことも珍しくないのです。
↑車検の時には自賠責保険も車検期間分(24カ月~25か月)加入する。
「車検の有効期間」は、自家用乗用車や軽自動車の場合は新車登録から最初の車検までが3年間、以後は2年です。
車検と同時に、24カ月の法定点検も行われます。同時に自賠責保険(強制保険)や自動車重量税(クルマの重さによって税額が異なる)、検査手数料などの諸費用も車検時に一緒に納めます。
車検にお金がかかるのは車検整備費用とは別に、これらの諸費用が平均して5-6万円程度必要となるからですが。これら諸費用はディーラーで受けてもユーザー車検でもほぼ同じ金額が必要となります。
では、この「車検」どこで受ければ良いでしょうか?受ける場所によるメリット、デメリットと合わせてご紹介します。
◇ ディーラー、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンド…車検はどこで受ける?
↑ユーザー車検を受ける前には予備検査場で確認すると安心
「車検」はディーラーで受けるものというイメージを持たれている方も多いと思いますが、車検は色々なところで受けることができます。新車でクルマを買った人であれば毎回、車検が切れる2か月位前にディーラーなどの自動車販売店から「車検のお知らせ」ハガキが届くでしょう。またガソリンスタンドやカー用品店で何らかの整備をしたことがある場合はそれらの店からも「車検のお知らせ」が届くこともあるようです。
しかし、車検をどこで受けるかはオーナーが自由に決めることができます。ディーラーや整備工場、車検専門業者、ガソリンスタンド、カー用品店などに加えて、個人で行う「ユーザー車検」で通すことも可能です。
それでは、車検を受ける場所ごとのそれぞれの特徴やメリット、デメリットについてご紹介したいと思います。
(1).ディーラー
あらゆる車検の場所の中で最も高額なのが「ディーラーでの車検」です。「ディーラーなら何かと安心」「クルマを引き取りに来てくれて代車も無償で貸してくれるから便利」という理由で高額であってもディーラーで車検を受ける人は少なくありません。
しかし、実際にディーラ―の整備は高額です。例えばバッテリーを交換する場合でも、ディーラーなら工賃含めて4~6万円以上。同じ性能のバッテリーをAmazonで購入して自分で交換すれば1万円以下で済みます。
そして、ディーラーは高い分、見積もりをよくチェックする必要があります。まだ交換する必要がない部品をどんどん新しいものに交換するので初回車検なのに車検整備費用が10万円超となる場合も珍しくありません。
また、見積もりにボディコーティングの費用を載せて来るディーラーも珍しくありません。筆者の友人はドイツ車ディーラーで初回車検なのに諸費用別で30万円強の見積もりが出ていました。
その内容を見てみるとボディコーティングやガラスコーティング、タイヤコーティングなど車検とは関係ない「コーティング」の費用が大部分を占めていました。黙っているとコーティング費用を大幅に上乗せされるので気をつけましょう。
(2).民間車検場(指定工場)
車検コースを有する運輸支局と同じ設備を持つ工場のことを「指定工場」と言います。ディーラーなどもこの「指定工場」を所有しているので、車検のために運輸支局にクルマを持ち込む必要がなく、自社工場内で車検に必要な「整備・修理・車検(検査)」をすべて行う事ができます。
この指定工場は別名「民間車検場」と呼ばれ、自動車検査員と呼ばれる車検を通せる「自動車検査員」の国家資格を持った担当者が運輸支局に代わって車検(検査)を行うことができます。中には、60分車検という短時間で可能な車検や運輸支局が休みの土日祝でも車検を受けられるのが民間車検場の強いところです。
しかし、指定工場は基準が厳しいため、まだ十分使える部品を念のために早めに交換することが多々あり、車検整備費用が高額になる傾向があります。
(3).ガソリンスタンドやカー用品店
近年は車検を受けられるガソリンスタンドやカー用品店が増えてきました。大手であれば、(2)の民間車検場を所有する工場もあり、日帰り車検など短時間車検に対応しているところもあります。
指定工場との提携がない場合は車両を運輸支局に持ち込んで検査を受けることになりますが、小規模な工場の場合は、いろいろと融通を聞かせてくれます。
できるだけお金をかけたくない人のために、車検に通る必要最低限の整備に対応してくれるところも少なくありません。
(4).ユーザー車検
「車検」はオーナー自身が点検して通すこともできます。予約が必要ですがクルマの登録地に関わらず、全国どこの運輸支局でも受けることが可能です。各運輸支局にはユーザー車検専用の窓口があるので、わからないことは電話で確認してみましょう。
筆者は2017年から所有する2台の車を毎回、ユーザー車検で通しています。諸費用と別に必要になるのは検査手数料の2,200円のみ。午前中に受けてもし不備があれば、午後に同じ費用内で再び受けることができます。
ユーザー車検の不備のほとんどは、ヘッドライトの光軸になるので、事前に予備検査場(ブレーキや光軸調整など車検で行うこととほぼ同じことを3,000-4,000円程度でやってくれる)で確認しておくと安心です。
なお、どこで受ける場合でも必ず前もって「見積もり」を取って費用の内訳を確認しましょう。さらに車検後の整備保証についても保証の有無や内容を確認しておきましょう。